某・医療機器販売会社で働いている小山の身に起きた出来事をありのままにつづった世にも珍しい体験談である。
これは小山が初めて一人で海外出張した時の話です。短編です。その日は朝から早起きしてサンフランシスコ空港(西海岸)からボストン空港(東海岸)までの飛行機に乗る予定でした。乗客はほぼ満員らしく待合席には多量の乗客が待っています 。
そうしているうちに搭乗時刻となり、乗客は機内に入っていきました。小山も初めてのアメリカ国内便なのでちょっとどきどきして機内に入って行きました。まあどこの国でもしきたりは変わらず、機内に入って行くわけですが小山の席に一人の白 人の品のよさそうな老婦人が座っています。小山が席番号の間違いかと思い、切符 の半券を確認してもやっぱりそこは小山の席です。
そこでその老婦人に小山は言いました(以下英語です。婦人のセリフは小山の語学力の問題で推理も入っています)
こやま:「あのーすいません」
老婦人:「何かしら?」
こやま:「あのーこの席は私の席だと思うのですが…」
老婦人:「私は朝早くからおきてここへ来たのよ」
こやま:「ええ…しかし私の席はここなんですよ」
老婦人:「これから私は昔の友達に会いに行くんですよ」
こやま:「え?あの?」しばらく考えて再度「席をお間違えではありませんか?」と言ってチケットを見せる。
老婦人:「なによ!私だっておんなじチケットを持っていますからね」
こやま:「あの…そのチケットを見せてもらえますか?」
老婦人:「いやよ!大事なこのチケットをあなたに渡すわけには行かないわ」
こやま:「…」
そうです。彼女は席が自由席だと勘違いしているようです。しかし、小山の語学力では「指定席制度」をうまく説明できません。このようなとき周りの人たちは完全に無視しています。
何度か説明を試みましたが老婦人は頑として席を代わってくれません。説得をあきらめた小山は機内で叫びました。
「すちゅわーですさーん!だれか助けてー」
解説:その後BDの外国人に聞いたところ結構アメリカには自由席の飛行機があるそうです。きっとローカル便しか乗ったことのない老婦人が思い切って大旅行に出て きたのだろうと笑いながら解説してくれました。それも笑った理由が「小山の困っ た顔が見たかっただって…」まったく。
今度は新幹線でのお話です。この話は誰もが体験する可能性がある身近な恐怖です。
その日小山は大阪での仕事(それも大阪大学)を終え、新大阪駅から東京へ帰る途中で した。仕事が順調に終わったせいもあり小山はすっかりオフモードで座席にくつろ いで発車時間を待っていたのでした〔新大阪発車)。
すると隣の車両からいかにも
ヤ○ザ風のおじさんが入ってきました。
小山は「さすが大阪だなぁとのんきな感想を胸に抱いていました」。その後に起きる恐怖もしらずに…
そのヤク○風おじさんはチケットを片手に持ちブツブツ言いながら歩いてきます。
ヤ「11番のE…11番のE…11番のE…」
その言葉が聞こえたとき、小山の背筋に冷たいものが走りました。そうです。11番 のEはまさに小山が座っている席なのです。
席を立とうにももう遅く、その○クザ風おじさんは小山のすぐ横に立っています。 そして一言つぶやきました。
ヤ「ここや…」
こ「×△○…。△…。×。」
(顔引きつっています)
11番のEに小山が座っていることを認識したヤク○風おじさんの顔が
どんどん凶悪な 表情
に変わっていきます。
すでに冷静さを失っている小山は謝ることも立ち上がる こともできません。
心臓バクバクの小山の心中では生命の危機を迎えて生存本能が警報が鳴り響かせています。
「えらいこっちゃ〜」と。
凶悪な表情になったヤ○ザ風おじさんは小山の方を睨んでから、もう一度自分のチケットをみてつぶやきました。
ヤ「なんや、隣の車両や…」
そう言うと、ヤク○風おじさんはさっさと隣の車両に行ってしまいました。小山は
あまりの恐怖に声もでず、しばらく固まっていました。そしてやっとその緊張がと
けて一言。
「こわかったぁ〜」
解説:またも席ネタでした。このとき小山はもうオフモードだったせいか確かにチ ケットをよく見てなかったので、「これは…もうだめだ…」と観念してしまいまし た。たった数秒の出来事でしたが、この事件以来小山は最低3回はチケットと座席番号を確認する習慣が付きました。
その日、小山はとある研究所に向かうためにバスに乗っていました。乗客はそれほど混んでおらず席には空きがある程度でした。小山はバスに乗るときは運転手の動 きを見ているのが好きなため、運転手の後ろに座っていました(幼児一人乗り禁止の席ですね)。 天気も良くバスは東京の街を順調に走行していきました。しかしその事件はケタタマシイ爆音とともに襲来した
「いかにも」暴走族風の車
によって起こされました。
バスの後ろから追い越そうとしたその暴走族風の車(ムラサキメタリック)はバスを追い越し後に車線に戻る際、
バスの前部に少し擦ってしまいました。
急ブレーキをかけて止まるバスと暴走車、のどかな情景は一瞬にて緊張みなぎる状況になって しまいました。 暴走族車からわらわらと三人のこれまた「いかにも」暴走族風の若者が出てきて、口々に文句を言っています。そしてバスの運転手に向い
「こらぁ、なにしさらすぅ。出てきやがれぇ」
と怒鳴っています。バスの中では
「バスの運転手さんはどうなっちゃうのだろう…」
というムードになりました。運転手さんはマイクでアナウンスしました。
「えー。まことに申し訳有りませんが、只今交通事故が発生致しました。このバスが運行状況可能であるか確認を致しますので、少々お待ちください。」
運転手さんは落ち着いた優しい声でこう言うとバスから降りていこうとしています 。暴走族の若者は哮り狂ってバスのそばまでやって来ています。バスの乗客はこれ から起こるであろう惨劇に緊張を隠せません。
しかし、それからのことはあまりにも
我々の予想を裏切る状況でした。
バスの運転手さんはバスの出口を出るないなや大きな声で
「バッカヤロウ! テメエラどこ見て運転しやがってんだ!!」
と叫び全速力で若者たちに向かって走って行きます。そして
いちばん先頭にいた若者に跳び蹴り!!
すぐさま振り返り
もうひとりにも回し蹴り!!。
のたうち回る二人の若者。バスの中では
「あああ」
という声。運転手さんの目がすでに
「いっちゃってるヒト」
そのものです。
最後の一人は声もなく茫然と立っています(そりゃそうだ)。その最後に残った若 者にも運転手さんは容赦をしません。
襟首つかんで腹部を「タコ殴り」。
弱ったところで運転手さんは最後の一人を引きずりながらバスの前まで戻ってきました。
バス運転手:「てめえらのせいで、ウインカが割れちまっただろう」
タコ殴られ若者:「すいま…せん…」(かなり苦しそう)
運転手:「誰が悪いんだ!あっ!」
若者:「俺らが…」
運転手:「俺らぁ??」といってコズく。
若者:「いえ。私がわるいんです。」
運転手:「そうだな!悪いのはおまえだな」
若者:「はい…」
ソウコウしているうちに後続のバスがいつの間に後ろに止まっていす。そしてその
バスからも
バス運転手(運転手Bとしましょう)が出てきました。
小山は「ああ、これであの運転手(運転手Bね)があの
いっちゃった運転手さん(運転手A)を止める
だろう
」と思いました。しかし状況は更なる発展が…
運転手B:「どうしたんだ?」
運転手A:「いや、こいつらがぶつかってきた上にさらに因縁を付けて来やがって」
運転手B:「なんだとぉ」(形相が変わる)
運転手A:「だからちょっとどっちが悪いか聞いてやってるんだ」
いきなり若者の足を蹴り上げる運転手B!
こやつも凶暴な運転手さんだったのだ。
どうやら腹立ちも収まったのか、運転手さんAはバスに戻ってきました。バスの乗客
は今の惨劇を見ているので、驚愕の表情で運転手さんを見つめています。運転手さ
んはマイクを取り、またも優しい声でアナウンスをしました。
「まことに申し訳ありません。当バスは走行装置の破損により、走行を続行することはできません。御面倒でも次のバスにお乗り換えください。」
我々は不平を言うこともなく(恐かった)、無言で後ろのバスに乗り込みました。
後ろのバスでは何があったか知らない乗客が、口々に文句を言っていました。にこ
やかな顔をした運転手Bが戻ってきて、
「只今前者で交通事故が発生したため前車
のお客様をお乗せいたしてマース、少々遅れましたが発車しマース」
とアナウンス。 バスBに乗っていた乗客は我々に
「何があったのですか?」
と聞いてきますが、だれひとりその惨劇を話す者はいませんでした(運転手さんからバックミラー越しに 見張られているようで恐かった)。 事故現場から遠ざかるまで我々バスAの乗客はじっと、暴走族風とバスAを見つめて
いたのでした。
解説:この話、ほとんど脚色なしです。バスの運転手さんは昔腕で鳴らした方が非
常に多いそうです。また、若者たちを「蹴り」「腹タコ殴り」するのは警察が来た
ときにキズが目立たないようにするためだそうです。非常にケンカ慣れした恐ろし
いお方達でした。